ヴァッハウ渓谷の文化的景観

ヴァッハウ渓谷の文化的景観 Wachau Cultural Landscape 所在国：オーストリア 世界遺産登録：2000年 種類：文化遺産

ヴァッハウ渓谷の文化的景観Wachau Cultural Landscapeは、ドナウ川流域で最も美しいと言われているクレムス〜メルクまでの約３６kmがヴァッハウ渓谷で、周囲の丘にはブドウ畑が広がり、崖上にはバロック様式のメルク修道院や中世の街並みの残るデュルンシュタインが位置しています。

渓谷の両岸には古城や修道院が点在し、観光クルーズとして人気があります。

また、ドナウ川流域には太古の人々が生活していた数多くの痕跡が残っていますが、そのなかでも、「ヴィレンドルフのヴィーナス」と呼ばれている1909年にヴィレンドルフで発見された石像はその精緻さにおいては最上のものとして有名です。

この石像の存在は、太古のドナウ文明に女系中心の社会が存在したことをうかがわせる証拠ではないかと現在も調査が進められています。

アルタミラ洞窟

アルタミラ洞窟 Altamira Cave 所在国：スペイン王国 世界遺産登録：1985年 種類：文化遺産

アルタミラ洞窟Altamira Caveは、先史ヨーロッパ時代の区分のうち、主にマドレーヌ期（約18,000年〜10,000年前）と呼ばれる旧石器時代末期に描かれた野牛、イノシシ、馬、トナカイなどの動物を中心とする壁画で、約13,000年前に落石によって洞窟の入り口が閉ざされたと考えられ、これにより幸運にも壁画を封印することで長く風化から免れた貴重な遺跡です。

近代になって偶然にもこの地の領主ソウトウラ（Marcelino Sanz de Sautuola）の5歳の娘マリアによって１８７９年に発見されたのでした。

領主のソウトウラはこれらの絵が旧石器時代のものであると考え、1880年に発表したが、当時は旧石器時代の絵が知られておらずしばらく学界からは否定されていましたが、その後20年ほどの間に、今日の評価の日をむかえることとなるのでした。

アルコバッサの修道院

アルコバッサの修道院 Monastery of Alcobaca 所在国：ポルトガル共和国 世界遺産登録：1989年 種類：文化遺産

アルコバッサの修道院Monastery of Alcobacaは、その壮大な規模と建築様式の美しさ、使用された建材のレベルの高さ、は非常に勝ちのあるものです。

アルコバッサのシトー会修道院はシトー会のゴシック芸術の傑作をここに残しました。

聖ベルナルドの存命時にブルゴーニュ地方にて発展した風雅な様式が広まり、加えてフォントネーのような初期の宗徒の規律の確立を特徴づける禁欲的理想観念の現存の証拠を有しています。

ペドロ１世とイネス＝デ＝カストロの墓は、ゴシック様式の埋葬彫刻の中で最も美しいものの一つで、アルコバッサの修道院は、機能的な建物群と水利設備の独自の構造基盤を有する重要なシトー会施設として残されています。

特に18世紀の調理場は、有名で中世からの回廊・水盤・参事会室・居間・共同寝室・僧房・食堂といった修道院の建造物群の趣きを増すものです。