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ケルクアンの古代カルタゴの町とその墓地遺跡

ケルクアンの古代カルタゴの町とその墓地遺跡
Punic Town of Kerkuane and its Necropolis
所在国:チュニジア
世界遺産登録:1985年、1986年
種類:文化遺産


ケルクアンは、北東チュニジアのボン岬の近くにあったカルタゴの都市です。

このフェニキア人(カルタゴ人)の都市は、第一次ポエニ戦争(紀元前264年 - 紀元前241年)の間に放棄されたと見られており、ローマ人によって再建されませんでした。

この街は、ほぼ400年間存在しました。

カルタゴは、フェニキア人の作った豊かで、経済力もある海運都市国家、その豊沃さ故に宿敵ローマ帝国に滅ぼされてしまった国です。

一部分が破壊されるにとどまったので、ケルクアン(町から離れたビット)は古代のカルタゴの最良の遺跡です。

発掘の結果、この遺跡が、紀元前4世紀から紀元前3世紀のものであることが明らかになっています。

建物の配置がはっきり分かる遺跡のここかしこに多くの家の壁が残されています。

またファサード上の有色の粘土も数々残っています。

個々の家は、緻密な都市計画に基づいて標準化されています。

チュニス郊外のカルタゴの町には、ローマ帝国に完全に壊滅されてしまった町の残骸がありますが、本当に壊滅されてしまったため、カルタゴ時代のものはほとんど残っていません。

現在見られる遺跡のほとんどはその後、植民都市として築きあげられたローマ時代のもののみです。

だからカルタゴ時代のものはこの地上から完全に抹殺されてしまったと長年思われていました。

しかし、20世紀になっての調査の結果、カルタゴ時代の町の遺跡がほぼそのままの形で残されている都市がが発見されたのです。

その世紀の大発見の地がここ、ケルクアン。

ここには地球上から消え去ってしまったはずのカルタゴ人の生活が唯一残されている大変重要な遺跡です。

聖壇には柱列が設けられており、また、小さな中庭にはモザイクが見られます。

単純なモザイクの縁石、ドアステップ、敷居、床は、至る所にあります。

現在も、考古学者はケルクアンの発掘を行っています。

しかし、最良の部分はすでに発掘済であると考えられています。

ケルクアンは、カルタゴ、ハドルメトゥム(Hadrumetum、現代のスース)およびウティカ(Utica)と共に、最も重要なフェニキア人の都市のうちの1つでした。
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キリマンジャロ国立公園

キリマンジャロ国立公園
Kilimanjaro National Park
所在国:タンザニア
世界遺産登録:1987年
種類:自然遺産


キリマンジャロは、標高5,895mでアフリカ最高峰で赤道の南300kmのところにありながら山頂は雪と氷につつまれる美しい山です。

また、南米のコトパクシ山に並ぶ標高を持つ世界最高峰級の火山でもあります。

タンザニア北東部にあるキリマンジャロ国立公園は1987年に世界遺産に登録された自然遺産です。

キリマンジャロの頂上には、氷河が形成されています。

この氷河から供給される水で出来た高山湿地帯を始め、標高別に、砂漠、高山湿地帯、高地草原、草原、熱帯雨林と広がっています。

そのキリマンジャロ周辺に広がる国立公園には熱帯雨林から氷河に至る様々な植生が存在しています。

標高3,000m程度までは熱帯雨林、3,000m〜4,000mではヒースとよばれる常緑低木が群生する荒れ地帯や草原地帯、そして4,000m以降は荒地が広がり、4,500mを超えると氷河地帯になります。

熱帯雨林にはヒョウやブルーモンキーのような希少種も棲息しています。

キリマンジャロ山とその周囲の森林は、ドイツ植民地時代の20世紀初頭から保護対象となっていました。

1921年に、法的な保護対象となり、タンザニア独立後の1973年、山域の一部75,575haが国立公園として指定されました。

1987年に世界遺産に登録され、自然保護が活発的に行われています。

一方、キリマンジャロ周囲の乾燥化に伴い、山頂の氷河の縮小が懸念されています。
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ガダーミスの旧市街

ガダーミスの旧市街
Ancienne ville de Ghadames
所在国:リビア
世界遺産登録:1986年
種類:文化遺産


ガダーミスは、アルジェリアやチュニジアの国境にも近い、トリポリの約600km南西に位置するリビアのオアシス都市です。

サハラ砂漠のオアシス都市ガダーミスの旧市街には、日干しレンガの家屋群が残っています。

町の中でも、古くからある壁に囲まれた区域は、ユネスコの世界遺産に登録されています。

旧市街は全長7kmの城壁で囲まれ、家屋の多くは2階建てもしくはそれ以上のものです。

石灰が塗られた簡素な外壁に対し、室内は象嵌、石膏の浮き彫り、アラベスクなどの装飾で満たされ、北アフリカの伝統的なマグレブ美術の影響が見られます。

どの家も2階テラスの通路は女性用、階下のアーケード状の通路は男性用でした。

町は紀元前8世紀頃から交易で栄えていましたが、オアシスの水が涸れ1970年代に、政府は旧市街の外側に住宅地を作り、1983年に新市街ができると、住民たちは新市街に移住しましたが、夏の間には、住民たちは避暑に優れている旧市街に戻って暮らしています。


現在は避暑地として使用されていますが、家屋の傷みは激しく、修復作業が待たれます。


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